この記事は、単なる言葉の違いを説明するものではありません。
介護の不安を抱えるあなたが、次に何をすべきか確信できる「安心ガイド」です
結論から言うと、あなたが最初に電話すべきなのは「地域包括支援センター」です。
インターネットで調べ始めても、「地域包括支援センター」や「ケアマネジャー」といった専門用語が多くて、「一体何が違うの?」「誰に相談すればいいの?」と混乱してしまうのは、あなただけではありません。
詳しく知りたい方はこの記事を参考にしてください。
親の介護、何から?
最も多くいただく言葉の一つが「こんな些細なことで相談していいんでしょうか?」というものです。
親の介護が現実味を帯びてくると、多くの方が「何から手をつけていいかわからない」という大きな不安を感じます。
その気持ちが、まさに相談を始めるべきサインなのです。
介護は、ある日突然、予期せぬ形で始まることがほとんどです。
ですから、事前に完璧な知識を持っている人などいません。
準備ができていなくて当たり前なのです。
「地域包括支援センター」と「ケアマネジャー」。
この二つの言葉の違いがわからず混乱するのも、無理はありません。
なぜなら、この二つは介護という道のりの中で出会うタイミングが違うだけで、どちらもあなたの力強い味方になってくれる存在だからです。
まずは、その役割の違いと「正しい順番」を知ることで、心の負担を軽くしていきましょう。
最初の相談は「地域包括支援センター」
では、なぜ最初の相談先が「地域包括支援センター」なのでしょうか。
その理由を、介護サービスを利用するまでの全体像からご説明します。
地域包括支援センターとケアマネジャー(介護支援専門員)は、「公的な総合相談窓口」と「個別のプランを作成する専門家」という関係性にあります。
つまり、地域包括支援センターは、ケアマネジャーをはじめとする様々な介護サービスに繋がるための、いわば公的な「最初の入口」なのです。
この流れを視覚的に理解するために、簡単なステップ図を見てみましょう。

この図が示す通り、ケアマネジャーのサポートを受けるためには、原則として「要介護認定」という公的な手続きが必要になります。
そして、地域包括支援センターの重要な役割の一つが、この要介護認定の申請を支援することなのです。
★一言アドバイス
「まだ介護が必要か決まっていない」という段階でこそ、地域包括支援センターに電話してください。
なぜなら、この点は多くの方が「要介護状態になってから行く場所だ」と誤解しがちなポイントだからです。
地域包括支援センターは、介護が必要にならないようにするための「介護予防」の相談も受け付けています。
早めに相談することで、かえって本格的な介護の開始を遅らせることができるケースも少なくありません。
何を相談できる?具体的な役割を徹底比較
それでは、客観的な事実として「地域包括支援センター」と「ケアマネジャー」の役割を比較し、どのような状況でどちらに相談すべきかを明確にしましょう。
多くの方が陥りがちな失敗は、親の介護が心配になったとき、焦ってインターネットで民間の介護サービスやケアマネジャー個人を直接探そうとすることです。
しかし、前述の通り、ケアマネジャーの活動は「要介護認定」を受けることが前提条件となるため、「まずは役所で認定申請をしてください」と言われ、二度手間になってしまうことがよくあります。
以下の比較表で、それぞれの役割とタイミングの違いをご確認ください。
〇「地域包括支援センター」と「ケアマネジャー」の役割比較
| 比較項目 | 地域包括支援センター | ケアマネジャー(が所属する居宅介護支援事業所) |
|---|---|---|
| 相談できるタイミング | いつでも(介護が必要になる前からでもOK) | 原則として「要支援・要介護認定」を受けた後 |
| 対象者 | 地域に住むすべての高齢者とその家族 | 要支援1〜2、要介護1〜5の認定を受けた方 |
| 主な役割 | ・介護に関する総合相談 ・要介護認定の申請支援 ・介護予防の支援 ・高齢者の権利擁護 など |
・ケアプラン(介護サービス計画書)の作成 ・介護サービス事業者との連絡・調整 ・定期的な状況確認(モニタリング) |
| 費用 | 無料 | 無料(費用は介護保険から全額給付) |
この表からわかるように、あなたの「何から始めたらいいかわからない」という現在の状況に最適な相談先は、「地域包括支援センター」であることが明確です。
よくある4つの質問(FAQ)
よくある質問にお答えします。
Q1. 相談は無料ですか?
A. はい、地域包括支援センターへの相談も、要介護認定後にケアマネジャーにケアプラン作成を依頼するのも、自己負担なしの無料です。
費用は介護保険制度から支払われますので、安心してご相談ください。
Q2. 親が相談に行くのを嫌がる場合はどうすれば?
A. ご本人が行きたがらないケースは非常に多いです。
まずはご家族だけで地域包括支援センターに相談することが可能です。
専門家が、ご本人の気持ちに配慮しながら、どのようにアプローチすればよいか一緒に考えてくれます。
場合によっては、専門家がご自宅を訪問することもできます。
Q3. ケアマネジャーさんは自分で選べるのですか?
A. はい、選ぶことができます。
地域包括支援センターや市区町村の窓口で、お住まいの地域のケアマネジャーが所属する「居宅介護支援事業所」のリストをもらえます。
その中から、ご自身で事業所を選んで契約します。
どの事業所が良いか分からない場合は、センターに相談することも可能です。
Q4. 地域包括支援センターの場所はどうやって探せますか?
A. 最も簡単な方法は、インターネットでお母様がお住まいの「市区町村名+地域包括支援センター」と検索することです。
市区町村の公式ウェブサイトに、担当エリアごとのセンターの連絡先一覧が必ず掲載されています。
地域包括支援センターとケアマネの違いについてのまとめ
この記事では、「地域包括支援センター」と「ケアマネジャー」の違いについて、特に介護の第一歩を踏み出すあなたに向けて解説しました。
- 介護の不安を感じたら、最初の相談先は公的な総合窓口である「地域包括支援センター」です。
- 「ケアマネジャー」は、要介護認定を受けた後に、具体的な介護プランを作成してくれる専門家です。
- 大切なのは「順番」です。まずセンターに相談し、そこから必要な支援へと繋がっていく流れを知っておけば、もう迷うことはありません。
一人で抱え込む必要は、全くありません。
専門家を頼ることは、お母様にとっても、そして何より介護を担うあなた自身にとっても、最も賢明で優しい選択です。
その一本の電話が、これからの安心への扉を開きます。
今すぐ「お母様のお住まいの市区町村名+地域包括支援センター」で検索し、電話番号を調べてみましょう。
そして、「親のことで少し相談したいのですが」と、あなたの言葉で、そのまま伝えてみてください。
きっと、専門家が優しく応えてくれるはずです。
参考文献
- 厚生労働省「地域包括支援センター」
- 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「介護の相談はどこにすればいいの?」

コメント